ロンジン世界競走馬ランキング
ロンジン世界競走馬ランキングとは、ロンジン(Longines)が発表する競走馬の順位付けです。
スイスの時計メーカーであるロンジンは、数々の有名な馬術競技会のタイムキーパーを務め、馬術スポーツのスポンサーとなっています。馬術とロンジンの関係は、1878年に馬とジョッキーが描かれたクロノグラフを制作したことから始まり、1912年には障害馬術競技パートナーとなりました。
このランキングは、ロンジンがスポンサーとなっている国際競馬総括機関連盟(IFHA)によって決定されています。各競走馬にはその実力を数値化した”レーティング”が付けられ、そのレーティングの数値が高ければ高いほど、ランキングで高い順位につくことができます。
このレーティングは、世界全体で基準が定められています。この基準は絶対的ではなく相対的に決められており、単純に賞金額を比較して最高賞金額の馬が上位になったり、勝率が高い馬が上位になったりするものではありません。出場レースの馬場の状態、距離、レースのレベル、着差、負担重量に加え、対戦相手となる馬の実力を考慮するなど、さまざまな点を考慮した上でレーティングが決定されるのです。
ロンジン世界競走馬ランキングには、年間ランキングと短期間のランキングが複数あります。年間ランキングは毎年1月に発表されており、日本調教馬も数多くランクインしています。短期間のランキングには、1月から3月のランキング、1月から4月のランキング、そして、3月以降は1カ月ごとに毎月のランキングが発表されます。
ロンジン世界競走馬ランキングにおける日本調教馬の順位
2021年のロンジン世界競走馬ランキングには、合計279頭が掲載され、そのうち42頭が日本調教馬でした。
この42頭という数は、アメリカ、オーストラリア、イギリスに続く4位の掲載頭数です。日本調教馬トップは、数々のG1を制覇したコントレイルで、世界第5位のランキングでした。
上位に名を連ねた10頭の日本調教馬をご紹介します。
第5位:コントレイル(レーティング:126)
- 2017年生まれ
- 父:ディープインパクト
- 母:ロードクロサイト(父:Unbridled’s Song)
- 11戦8勝(2021年ジャパンカップ・2020年皐月賞・東京優駿・菊花賞)
- 受賞:JRA最優秀2歳牡馬(2019年)、JRA最優秀3歳牡馬(2020年)、JRA最優秀4歳以上牡馬(2021年)
- 獲得賞金:11億9,529万円
第10位:エフフォーリア(レーティング:124)
- 2018年生まれ
- 父:エピファネイア
- 母:ケイティ―ハート(父:ハーツクライ)
- 8戦6勝(2021年有馬記念・天皇賞秋・東京優駿(2着)・皐月賞)
- 受賞:JRA年度代表馬(2021年)・JRA最優秀3歳牡馬(2021年)
- 獲得賞金:7億3,663万円
第15位:グローリーヴェイズ(レーティング:123)
- 2015年生まれ
- 父:ディープインパクト
- 母:メジロツボネ(父:スウェプトオーヴァーボード)
- 18戦6勝(2021年香港ヴァーズ・2020年京都大賞典・2019年香港ヴァーズ)
- 獲得賞金:3億897万円
第27位:オーソリティ(レーティング:121)
- 2017年生まれ
- 父:オルフェ―ヴル
- 母:ロザリンド(父:シンボリクリスエス)
- 13戦6勝(2022年ネオムターフカップ・2021年アルゼンチン共和国杯・2020年アルゼンチン共和国杯・テレビ東京杯青葉賞)
- 獲得賞金:3億5,310万円
第27位:ディープボンド(レーティング:121)
- 2017年生まれ
- 父:キズナ
- 母:ゼフィランサス(父:キングヘイロー)
- 17戦5勝(2022年阪神大賞典・2021年フォワ賞・阪神大賞典・2020年京都新聞杯)
- 獲得賞金:5億1,082万円
第36位:クロノジェネシス(レーティング:120)
- 2016年生まれ
- 父:バゴ
- 母:クロノロジスト(父:クロフネ)
- 17戦8勝(2021年宝塚記念・2020年有馬記念・宝塚記念・京都記念・2019年秋華賞)
- JRA特別賞受賞馬(2020年)
- 獲得賞金:11億171万円
第36位:グランアレグリア(レーティング:120)
- 2016年生まれ
- 父:ディープインパクト
- 母:タピッツフライ(父:Tapit)
- 15戦9勝(2021年マイルチャンピオンシップ・ヴィクトリアマイル・2020年マイルチャンピオンシップ・スプリンターズステークス・安田記念・2019年桜花賞)
- 受賞:JRA最優秀3歳牝馬(2019年)、JRA最優秀短距離馬(2020年・2021年)
- 獲得賞金:10億7,381万円
第36位:シャフリヤール(レーティング:120)
- 2018年生まれ
- 父:ディープインパクト
- 母:ドバイマジェスティ(父:Essence of Dubai)
- 7戦4勝(2022年ドバイシーマクラシック・2021年東京優駿・朝日杯)
- 獲得賞金:3億6,573万円
第36位:テーオーケインズ(レーティング:120)
- 2017年生まれ
- 父:シニスターミニスター
- 母:マキシムカフェ(父:マンハッタンカフェ)
- 17戦9勝(2021年チャンピオンズカップ・帝王賞競争・アンタレスステークス)
- JRA最優秀ダートホース(2021年)
- 獲得賞金:2億6,368万円
第52位:ステラヴェローチェ(レーティング:119)
- 2018年生まれ
- 父:バゴ
- 母:オーマイベイビー(父:ディープインパクト)
- 11戦3勝(2021年神戸新聞杯・東京優駿3着・皐月賞3着)
- 獲得賞金:2億9,919万円
ロンジン世界競走馬ランキングの活用方法
ロンジン世界競走馬ランキングでは、レーティングの詳細を見ることができます。
同じ馬であっても、距離・コース・年度などで分類されているため、ランキングに同じ馬が何度も登場します。例えば、ランキング1位のKnicks Goは、ダート・1900m-2100mにおけるレーティングで129となっており、ダート・1600m-1899mにおけるレーティングでは125です。
このように、ランキングの詳細を見ていくことで「その馬がどういったコース・距離で高評価を得られているか」を知ることができます。
そのため、日本調教馬が海外に遠征してレースに出走する際などに、このランキングやレーティングを活用できます。同じレースを走る馬が、そのレースコンディションでどのような結果を出し、他の馬と比べてレーティングがどのくらいなのかを知ることができるため、馬券を購入する際に予測を立てやすくなるでしょう。