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香港国際競走

    香港国際競走とは

    香港国際競走とは、毎年12月第2週頃に沙田(シャティン)競馬場で行われる重賞の総称です。

    香港ジョッキークラブ主催のもと当該週の日曜日に行われます。香港国際競走には香港スプリント(芝1200m)、香港マイル(芝1600m)、香港ヴァーズ(2400m)、香港カップ(芝2000m)の4つの重賞があり、メインレースに香港カップが設定されています。

    香港国際競走における日本調教馬の出走歴

    香港国際競走は日本調教馬にとって魅力も多いことから、近年はほぼ毎年参戦しています。

    1つ目の魅力は、同じアジア圏で開催されることです。フランスやドバイへの遠征と比べると、輸送時間が短いため、馬への負担が圧倒的に軽く済みます。

    2つ目の魅力は、招待レースであることです。招待レースとは、参戦に必要な費用を主催者が負担してくれるレースです。海外遠征には輸送費だけでなく滞在費など多くの費用がかかりますが、香港国際競争では主催の香港ジョッキークラブが負担してくれます。

    コースの特徴

    香港国際競走が行われる沙田(シャティン)競馬場には、外側に芝コース、内側にオールウェザー(AW)コースが配置されています。坂はなく平坦で、レースは右回りで実施されます。

    直線の入り口から決勝線までは430mあり、京都競馬場の外回りより26m長い直線です。4コーナーから1000mの直線コースも伸びており、直線1000mのレースが行われることもあります。最大幅員は30.5mで、中山競馬場の32mよりやや狭くなっています。

    香港カップ

    香港カップ(Hong Kong Cup)は4レースの中でもっとも古く、その歴史は1988年にさかのぼります。

    当時は香港招待カップ(芝1800m)と称して、シンガポールやマレーシアを対象とした招待レースが行われていました。招待国を段階的に増やしていく中、1993年の国際G3格付けを機に対象国の制限を撤廃し、レース名も香港国際カップに変わりました。

    その後、1994年の国際G2昇格を経て、1999年に香港初の国際G1レースとなりました。その際、名称を香港カップに、距離を2000mに延長し、現在に至っています。

    コースは香港国際競走の中でも最長の2000mです。スピードとスタミナの両方を兼ね備えた馬が出走します。

    香港カップへの日本調教馬の出走歴(2017年以降)

    • 2020年
      ノームコア 1着 Z.パートン
      ウインブライト 2着 松岡正海
      ダノンプレミアム 4着 W.ビュイック
    • 2019年
      ウインブライト 1着 松岡正海
    • 2018年
      ディアドラ 2着 C.ルメール
      サングレーザー 4着 J.モレイラ
      ステファノス 9着 W.ビュイック
    • 2017年
      ネオリアリズム 3着 J.モレイラ
      ステファノス 4着 H.ボウマン
      スマートレイアー 5着 武豊

    香港ヴァーズ

    香港ヴァーズ(Hong Kong Vase)は1994年、香港国際ヴァーズとして創設されました。その2年後、国際G2に格付けされました。現在の名称である香港ヴァーズに改称したのは1999年のことで、翌2000年にG1昇格を果たし、現在に至っています。

    香港ヴァーズは、芝2400mのコースで行われます。洋芝で芝丈が長いため、レースではパワーとスタミナが要求されます。

    香港では長距離カテゴリーのレース数が少ないため、香港馬は苦戦傾向にあります。G1昇格の2000年以降の優勝馬は、フランス7頭、英国6頭(UAEの1頭を含む)、アイルランド3頭と欧州調教馬が16勝しています。

    香港ヴァーズへの日本調教馬の出走歴(2017年以降)

    • 2019年
      グローリーヴェイズ 1着 J.モレイラ
      ラッキーライラック 2着 C.スミヨン
      ディアドラ 4着 O.マーフィー
    • 2018年
      リスグラシュー 2着 J.モレイラ
      クロコスミア 10着 岩田康誠
    • 2017年
      トーセンバジル 3着 J.モレイラ
      キセキ 9着 M.デムーロ

    香港マイル

    香港マイル(Hong Kong Mile)は1991年、香港招待ボウルの名称で創設されました。3年後の1994年に国際G3の格付けを得て、その翌年にはG2へと昇格しました。

    当初のコースは1400mでしたが、1999年に香港スプリントが新設されたことを受け、距離が1600mに変更され、名称も香港マイルに変わりました。その翌年には、国際G1に昇格しました。

    香港マイルの歴史を見ると、以前は外国馬が圧倒的に優勢でした。しかし、2002年に地元勢が初優勝すると状況が一変。2006年以降の13レースで地元勢が12勝するなど、急成長を見せています。この間、香港国際競走の4レースの中で唯一の記録となる3連覇も達成されています。

    マイル戦は一般的にスピードが求められますが、香港マイルは洋芝コースでもあるため、同時にスタミナも求められます。香港マイルは、スピード能力だけでは通用しないマイル戦なのです。

    香港マイルへの日本調教馬の出走歴(2017年以降)

    • 2020年
      アドマイヤマーズ 3着 R.ムーア
    • 2019年
      アドマイヤマーズ 1着 C.スミヨン
      ノームコア 4着 C.ルメール
      ペルシアンナイト 5着 O.マーフィー
      インディチャンプ 7 D.レーン
    • 2018年
      ヴィブロス 2着 W.ビュイック
      ペルシアンナイト 5着 M.デムーロ
      モズアスコット 7着 C.ルメール
    • 2017年
      サトノアラジン 11着 H.ボウマン

    香港スプリント

    香港スプリント(Hong Kong Sprint)は、1999年のレース創設時から国際G3に格付けされていました。それ以降も1年ごとに昇格し、4年目の2002年には早くも国際G1に格付けされたレースです。

    当初は直線1000mで実施されていましたが、2006年にコーナーのある1200mに条件が変更されました。

    この変更により、香港国際競走の4レースは、香港スプリント1200m、香港マイル1600m、香港カップ2000m、香港ヴァーズ2400mという、400m刻みのプログラムが揃うことになりました。

    香港は短距離を得意とする馬が多いため、香港スプリントではその強さが際立ちます。2002年にG1に昇格して以降、地元の香港勢が8連勝。さらに、2020年までの19回中15回も優勝しており、香港馬は海外からの遠征馬を圧倒し続けています。海外からの遠征馬の勝利は、香港スプリントがG3、G2だった時期も合わせて計6勝止まりです。

    香港スプリントへの日本調教馬の出走歴(2017年以降)

    • 2020年
      ダノンスマッシュ 1着 R.ムーア
      タワーオブロンドン 13着 W.ビュイック
    • 2019年
      ダノンスマッシュ 8着     L.デットーリ
    • 2018年
      ファインニードル 8着 川田将雅
    • 2017年
      レッツゴードンキ 6着 岩田康誠
      ワンスインナムーン 12着 Z.パートン
    香港国際競走

    JRAとブックメーカーのオッズの違い

    日本では、JRA管轄のもと香港国際競走の全4レースの馬券が発売されます。bet365やウィリアムヒルなどのブックメーカーとどのような違いがあるのか、2021年のオッズを確認してみましょう。

    • グローリーヴェイズ(香港ヴァーズ出走)
      JRA(1.6倍)、bet365(2.25倍)、ウィリアムヒル(2.25倍)
    • ピクシーナイト(香港スプリント出走)
      JRA(2.8倍)、bet365(3.25倍)、ウィリアムヒル(2.87倍)
    • ダノンキングリー(香港マイル出走)
      JRA(5.3倍)、bet365(7.5倍)、ウィリアムヒル(6.5倍)
    • ヒシイグアス(香港カップ出走)
      JRA(5.4倍)、bet365(11.0倍)、ウィリアムヒル(13.0倍)

    関連記事:ブックメーカー JRAとのオッズ比較してみた!その特徴を知り、今後に役立てよう

    香港国際競走のような国際レースで日本調教馬の馬券を買う際、多くの場合はJRA経由よりブックメーカー経由の方が高いオッズで購入できます。

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