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海外競馬に挑戦した日本の競走馬 ステイゴールド

    ステイゴールドのプロフィール

    ステイゴールドは1994年3月24日に白老町で生まれました。馬主は社台レースホース、生産者は白老ファームです。栗東の池江泰郎調教師に預けられました。通算成績は50戦7勝、うち香港で1戦1勝、アラブ首長国連邦で1戦1勝です。獲得賞金は7億6,299万円、2001年にはJRA賞特別賞を受賞しました。

    ステイゴールドの父はサンデーサイレンス、母はゴールデンサッシュ(母の父:ディクタス)です。ステイゴールドは、このサンデーサイレンスと母の父ディクタスの2頭の気性の荒さを受け継いだと言われています。その気性は池江調教師から「肉をやったら食うんじゃないかと思ったほど凶暴だった」とコメントをもらう程で、調教助手からは「猛獣」と言われていたようです。

    ステイゴールドは芝の長距離に適性があり、勝利したレースのほどんどが2400m以上です。重い馬場を苦にせず走りきり、脚質は猛追を得意とする追い込み型。また念願のG1制覇が引退時の7歳だったことからも分かるように、かなりの晩成型でした。

    ステイゴールドは”シルバーコレクター”と言われたほど、2着や3着の多い成績を残しています。国内では2001年のG2日経新春杯を7歳時に、2000年のG2目黒記念を6歳時に制覇しました。2着入線のG1レースは1998年の天皇賞(春)、同年宝塚記念、同年天皇賞(秋)、1999年天皇賞(秋)の4つです。3着入線のG1レースは1998年有馬記念、1999年宝塚記念の2つです。

    海外では2戦2勝と好成績を残しています。香港のシャティン競馬場で行われるG1香港ヴァーズ(Hong Kong Vase)、アラブ首長国連邦(ドバイ)のメイダン競馬場で行われるG2ドバイシーマクラシック(Dubai Sheema Classic)を制覇しました。

    海外レースでの成績

    ステイゴールドは7歳となった2001年、ドバイシーマクラシックと香港ヴァーズに出走しました。どちらのレースも騎手は武豊騎手で、2戦2勝の好成績を残しています。

    ドバイシーマクラシック

    ドバイシーマクラシックはアラブ首長国連邦にあるメイダン競馬場で行われます。このレースは芝2400mのレースで、創設された当時(1998年)は”ドバイターフクラシック”という名称でした。2000年に国際G2になり、2002年に国際G1に変更されています。

    ステイゴールドが出走したのは第4回ドバイシーマクラシック(2001年3月24日)だったため、当時は国際G2の扱いでした。17頭立てで行われ、ステイゴールドの斤量は57kg。単勝オッズは34倍でした。

    前年度にドバイシーマクラシックや香港カップを制したファンタスティックライトに大きな期待が集まる中、香港ヴァーズの勝ち馬であるダリアプールやミラノ大賞典勝ち馬であるエンドレスホールなど、強豪ぞろいのレースとなりました。

    ステイゴールドは中団でレースを進めますが、直線に入ると鋭く伸び、1番人気ファンタスティックライトと並びゴールを切りました。写真判定の結果、ステイゴールドの鼻がわずかにファンタスティックライトを下し、1着入線。この勝利はステイゴールドにとって二つ目のG2勝利であり、日本調教馬として3頭目の海外重賞勝利でした。

    香港ヴァーズ

    ステイゴールドの海外2戦目は香港ヴァーズです。香港にあるシャティン競馬場で行われます。芝2400mのレースで、1996年に国際G2に、2000年に国際G1に変更されました。毎年12月に行われる香港国際賽事(香港国際競走)のひとつで、香港カップや香港マイル、香港スプリントの3つのレースと同日に行われます。

    ステイゴールドは2001年12月16日の第8回香港ヴァーズに出走しました。このレースは14頭立て、斤量は57.1kg。ステイゴールドは1番人気でした。

    デットーリ騎手騎乗の4番人気エクラールが後続を引き離すなか、ステイゴールドは懸命に追いました。斜行しながらもゴール手前でエクラールをクビ差抜き、ステイゴールドは1着入線。これがステイゴールドにとって、最初で最後のG1勝利でした。

    鞍上の武豊騎手はこのときのステイゴールドの様子を「まるで背中に羽が生えたようだった」とコメントしています。

    ステイゴールド産駒の活躍

    ステイゴールドは体躯の小ささに懸念がありましたが、種付け料を低く設定したことで種牡馬1年目は177頭もの繁殖牝馬を集めました。2005年に初年度産駒がデビューし、ソリッドプラチナム・コスモプラチナ・マイネルネオス・エムエスワールドが重賞を制覇。初年度産駒4頭が重賞を勝利するという素晴らしい成績を残しています。

    2004年度産駒のドリームジャーニーが数々のG1を勝利し、ステイゴールドの種牡馬としての評価が高まります。2008年には牡馬クラシック三冠を制覇するオルフェーヴルが誕生。三冠馬となった後も数々のG1を制覇し、国内レースだけではなく、フランスのフォワ賞を2連覇しました。

    2008年度産駒ゴールドシップは皐月賞、菊花賞、有馬記念、天皇賞(春)、宝塚記念を2連覇。2011年度産駒オジュウチョウサンは11歳となった今でも異例の活躍を見せ、「障害の絶対王者」と言われています。

    ステイゴールドが種牡馬となった当時、フジキセキを筆頭に多くのサンデーサイレンス産駒がそろっていたため、ステイゴールドへの期待は決して高いものではありませんでした。しかし、産駒の活躍はすさまじく、特にステイゴールドと母の父がメジロマックイーンの配合の馬は驚くほどの成績を残しています。ドリームジャーニー・ゴールドシップ・オルフェーヴルがこの”黄金配合”や”ステマ配合”と言われる配合の馬です。

    産駒の特徴としては、ステイゴールドに似た小柄な体格や気性の荒さ、中距離から長距離への適性が挙げられます。また海外レースへの適性も特徴のひとつです。

    2015年2月5日、21歳でステイゴールドはこの世を去りましたが、後継種牡馬が”黄金旅路”の続きを描いています。

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