ピムリコ競馬場

ピムリコ競馬場 概要

ピムリコ競馬場 (Pimlico Race Course)はアメリカ東部、首都ワシントンD.C.に隣接するメリーランド州ボルティモア近郊に位置します。歴史的名馬を輩出した100年以上に渡るアメリカ競馬の象徴的な競馬場でもあります。

バルティモアの中心地から競馬場へのアクセスは電車やトラムの利用が便利です。約24km離れた場所には最寄り空港となるバルティモア・ワシントン国際空港もあります。

この競馬場は、100年以上に渡るアメリカ競馬の象徴的存在です。

ジョン・エリコット将軍によって設計されたこの競馬場は、1870年に建設されました。オープンした10月25日には1万2000人が集まり、賞金1万ドルのレースは大変盛り上がりました。

マンノウォー、サーバートン、シービスケット、ウォーアドミラル、サイテーション、セクレタリアト、シガーなどの名馬が、心を揺さぶるレースを残してきました。

また、ピムリコ競馬場はニューヨーク州にあるサラトガ競馬場(Saratoga Race Course)と深い関係があります。アメリカで最も古い競馬場であるサラトガ競馬場で、ピムリコ競馬場の計画が始まったのです。

ピムリコ競馬場のあるメリーランド州の当時の知事がニューヨーク・サラトガへ出張した際、このようなレースを提案しました。「そのレースで優勝した馬の持ち主が、負けた馬の持ち主を夕食に招待する」。その2年後、その言葉通り州知事は自分の住むメリーランド州に競馬場を作ると公言し、ピムリコ競馬場が建設されたのです。州知事の尽力によりアメリカで2番目に古いピムリコ競馬場が出来上がったのです。

1877年、ピムリコ競馬場最大の出来事が起こります。

それは、のちに”グレートレース(The Great Race)”と呼ばれるレースが実施されたことです。パロール・テンブルック・トムオキルトリーの3頭が競ったレースです。このレースを見るために、なんと米国下院が会議を延期したのです。レースのために会議が延期されることは史上初、かつ唯一の出来事でした。

これ程までに人々を沸き立たせたグレートレースは、ピムリコ競馬場史上最大の栄誉として語り継がれ、そのゴールシーンを描いた絵画はピムリコ競馬場のトレードマークとなりました。「このレースとともに、ピムリコ競馬場の伝説は永遠に続く」というメッセージが込められています。

また、ピムリコ競馬場は、アメリカで初めて電気式スタートゲートを導入した競馬場でもあります。

ピムリコ競馬場 主要レース

主要レースはG1プリークネスステークスです。

プリークネスとは実在した馬の名前で、競馬場オープン当初に開催された2マイル(3200m)のレースを驚異的スピードで走り切った馬です。この馬の功績をたたえ、1873年にプリークネスステークスが始まりました。

コースはダート1900m、3歳馬のみが出走できます。これまでピムリコ競馬場に挑戦した日本調教馬はラニとフランスゴデイナの2頭で、2頭ともプリークネスステークスに出走しました。ラニは2016年に5着で入線。2021年に挑戦したフランスゴデイナは7着でした。

フランスゴデイナ(3歳牝馬)は、栗東の森秀行厩舎で、鞍上はJ.ロザリオ騎手でした。

スタートから好調な走り出しで、前半は良い位置についていました。3コーナーあたりでスペースが出来たため勝負に出てスピードを上げるも、力が及ばず7着となりました。

プリークネスステークス(MarylandRacing

アメリカの競馬場
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ピムリコ競馬場 コースの特徴

ピムリコ競馬場は外周にダートコース、内周に芝コースを持ちます。コースは楕円形で、起伏が少なく、典型的なアメリカの競馬場といえます。

ダートは左回りで全長が約1600m、最後の直線が約350m、幅は約21m。芝コースは全長約1400m、芝の長さは12〜15cmです。

高低差は1m以内とほとんどありませんが、コーナーが少々鋭く設計されています。そのため、できるだけ効率良くコーナーを周れる先行馬が有利だと言われています。

このコースは2022年から大規模改修を予定しており、新しいコースは2024年頃に完成予定です。

現地の様子

主要レースであるプリークネスステークスは、毎年5月3週目の土曜日に開催されます。ケンタッキーダービーのおおよそ2週間後です。

前日の金曜日を含めたこの2日間は、大変盛り上がります。

プリークネスステークスの前日となる金曜日は、ブラック・アイド・スーザンデーです。G1レース”ジョージ・E・ミッチェル ブラックアイドスーザンステークス(George E. Mitchell Black-Eyed Susan Stakes)”が行われます。レース名にもなっている「ブラックアイドスーザン」とはメリーランドの州花であり、翌日のプリークネスステークスを優勝した馬に賭けられるレイもこの花で作られています。

土曜日のプリークネスステークス当日は、レース以外にも見どころがたくさんあります。出走馬が本馬場へ入場する際、メリーランド州歌”メリーランド・マイ・メリーランド”が歌われます。さらに、ピムリコ競馬場の公式カクテル”ブラック・アイド・スーザン”もあります。

現地では、お祭りのような雰囲気を味わえるでしょう。

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