オルフェーヴルのプロフィール
オルフェーヴルは2008年5月14日に白老ファームで誕生しました。生産者は社台コーポレーション白老ファーム、馬主はサンデーレーシングです。
ステイゴールド産駒で、母はオリエンタルアートです。母の父はメジロマックイーンであり、全兄にドリームジャーニー(2009年有馬記念・宝塚記念、2006年朝日フューチュリティ勝ち馬)がいます。
ステイゴールド産駒の身体的な類似点は見られず、オリエンタルアートにそっくりの栗毛と流星が特徴的です。馬体重もステイゴールド産駒にしては体格が良く、引退レースとなった有馬記念では466kgでした。
栗東の池江泰寿調教師のもと21戦12勝という成績を残しており、そのうち4戦は海外競馬での成績です。芝の長距離に適性があり、ステイゴールドと同様に重馬場に強く、パワーとスタミナは高い評価を得ています。
獲得賞金は13億4,408万円であり、日本競走馬での獲得賞金ランキングでは、ジェンティルドンナに続く5位です。
オルフェーヴルは日本競馬史上7頭目の三冠馬で、さまざまな賞を受賞してきました。2011年にはJRA最優秀3歳牡馬、JRA年度代表馬を受賞。4歳時の2012年にはJRA最優秀4歳以上牡馬を受賞し、現役最後となった5歳の頃には、2013年JRA最優秀4歳以上牡馬を与えられました。
海外レースでの成績
オルフェーヴルはフランス競馬のレースに4回出走しています。2012年にフォワ賞と凱旋門賞、翌年2013年もフォワ賞と凱旋門賞に出走しました。フランスでは池添謙一騎手ではなく、すべてC.スミヨン騎手が騎乗し、4戦2勝、2着2回という成績を残しています。
フランス・フォワ賞
2012年のフォワ賞は凱旋門賞の前哨戦としての出走でした。5頭立てとなったこのレースは超スローペースとなり、行きたがる様子を見せたオルフェーヴルでしたがスミヨン騎手に抑えられ、最後の直線で追い込み1着入線します。
フランス・凱旋門賞
第91回凱旋門賞は、2012年10月7日にパリロンシャン競馬場で開催されました。
このレースは有力馬たちの回避が相次ぎました。アイリッシュチャンピオンステークスを勝ったスノーフェアリーは故障、キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス2着馬ナサニエルは熱発により回避しました。さらにキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスでナサニエルを下したデインドリームは、当時ドイツで発生した馬伝染性貧血により行動制限がかけられ、出走を取りやめました。
レースではオルフェーヴルは後ろから2、3番手を走り、順位の大幅な変化がない中、最後の直線で動き出しました。大外から追い込み先頭に立ち後続を引き離しますが、急に内によれながら失速。4歳牝馬ソレミアに次いで2着に終わりました。
レース後のコメントでは、池江調教師は次回の凱旋門賞への勝利の意思を示し、スミヨン騎手は内によれたことへの後悔と共にオルフェーヴルの能力の高さを高く評価しました。
フランス・フォワ賞
2013年、放牧先ノーザンファームから戻り調整を進め、オルフェーヴルはフランスへ出発しました。前年と同様に、フォワ賞を経て凱旋門賞に挑戦しています。
フォワ賞は9頭立てでのレースになり、日本調教馬はオルフェーヴル、そしてキズナの帯同馬ステラウインドが出走しました。ステラウインドが超スローペースで逃げるレースをしましたが、直線になるとオルフェーブルは鞭を使うこともなく差し切り、2着以下を3馬身引き離して勝利しました。
スミヨン騎手が後続を振り返るほど余裕があり、完勝といえるレースでした。
フランス・凱旋門賞
同年10月6日、オルフェーブルは第92回凱旋門賞に出走しました。
この凱旋門賞にはニエル賞を勝った日本ダービー馬キズナが出走した他、エプソム(イギリス)ダービー馬ルーラーオブザワールド、フランスダービー(ジョッケクルブ賞)馬アンテロ、フランスオークス(ディアヌ賞)馬トレヴ、イギリスセントレジャー(イギリスクラシック三冠のうちのひとつ)馬リーディングライトが出走し、各国の優秀な3歳馬が集まった注目のレースとなりました。
キズナとオルフェーヴルの出走により、パリロンシャン競馬場の日本人入場者数が全体の1割を超えるという大変な盛り上がりとなりました。
ペンライパビリオンが逃げる中、オルフェーヴルは中団後方に控えます。進路の確保が難しい状況になったオルフェーヴルがトレヴを追いましたが、届かず5馬身差の2着でした。
日本馬によるワンツー・フィニッシュが期待されていましたが、2着と4着という結果になりました。
オルフェーブル産駒の活躍
有馬記念を最後に、引退したオルフェーヴルは2013年12月25日から種牡馬として登録されました。初年度の2014年の種付け料は600万円、244頭の繁殖牝馬を集めました。
2017年に初年度の産駒がデビューし、2歳新馬戦でクリノクリーニング(母:クリノビスケット)が初勝利を飾ります。
G3である札幌2歳ステークスでロックディスタウン(母:ストレイキャット)がオルフェーヴル産駒として重賞を初勝利し、ラッキーライラック(母:ライラックスアンドレース)が初年度にして産駒G1初制覇を成し遂げました。
2021年にはマルシュロレーヌ(母:ヴィートマルシェ)がブリーダーズカップ・ディスタフ(アメリカ)を勝ち、産駒初の海外G1勝利となりました。
産駒はオルフェーヴルに似た距離の適性で、長距離に強くスタミナに優れた傾向があります。サンデーサイレンス系の種牡馬として、オルフェーヴルの今後の活躍が期待されます。