エプソム競馬場 の概要
エプソム競馬場 イギリス南部・サリー州エプソムにある競馬場です
ロンドンから南東に約27kmの場所にあり、正式名称はエプソムダウンズ競馬場(Epsom Downs Racecourse)です。
コモンウェルス支配下だった1649年から1660年まで競馬は禁止されていましたが、その後、1661年3月7日にこのエプソム競馬場でレースの開催記録があります。この他にも、古いものでは1625年に騎手が落馬し死亡したというものがあり、この頃には既にレースが確立されていたようです。
また、エプソム競馬場はダービー・オークス発祥の地でもあります。
1778年、当時は2マイルまたは4マイルのレースが一般的な中、ダービー伯爵宅に招かれた客が「3歳牝馬だけの半マイルのレースがあれば刺激的ではないか」と発言したことがきっかけで、1780年に世界初のダービーが開催されました。
当時はレースの詳細はほぼ明かされず、レース時間や出走馬はもちろん、結果も知らされません。そんな中、1827年に初めて出馬表が作成され、出走馬、馬の所有者、血統、騎手、さらに主要レースではオッズが掲載され、現在に近いものが出来上がりました。
1892年の改修工事により、スタンドに5,000人、屋根部分には2,000人の観客を収容できるようになりました。
夏には夜間レースも開催されます。
主要レース
- 6月:ダービー(The Derby)
エプソムダービー(Epsom Derby)やイギリスダービーと呼ばれることもあるG1レース - 6月:オークス(The Oaks)
エプソムオークス(Epsom Oaks)、英オークス、イギリスオークスと呼ばれることもあるG1レース - 6月:コロネーションカップ(Coronation Cup)
オークスと同じ日に同じ距離で行われるG1レースで、出走条件は4歳以上。
エプソム競馬場 日本競馬との関わり
エプソム競馬場と日本競馬の関係は1983年に遡ります。
日本ダービーが開催されて50回目になったこの頃、エプソム競馬場と東京競馬場は姉妹競馬場としての交流を始めました。記念植樹として日本からは桜を、イギリスからは柏を、そしてカップを贈り合いました。
さらに交換競走として日本ではエプソムカップを、イギリスではThe JRA Condition Stakesが開催され、今も続いています。
ダービーとコロネーションカップでは日本調教馬の勝利はないものの、2021年にスノーフォールがオークスを16馬身差で圧勝しました。
イギリスの競馬場紹介
>>アズコット競馬場
コースの特徴
エプソム競馬場のコースは馬蹄のような形をしており、左回り、芝のみのコース、1.5マイル(約2420m)となっています。形がユニークなことに加え、直線コースには外ラチから内ラチにかけて傾斜があることも特徴です。
ダービー・オークスのコースは、スタート直後に上り坂となり、続いて平坦、下り坂と続き、最後の直線で再度上り坂となる、タフさを要するコースです。
最も特徴的なのは、コースの高低差。
日本の競馬場で最も体力が必要と言われる競馬場が中山競馬場だと言われますが、その中山競馬場の高低差は5.3m程。このエプソム競馬場は、中山競馬場の約8倍、凱旋門賞の坂の約4倍となる約40mもあります。このことから、逃げ切りはほぼ不可能なコースです。
直線は約600mが下り坂ですが、最後の200m地点辺りから急な上り坂となっており、ダービーやオークスで出走する3歳馬はもちろん、古馬でも苦戦します。
現地の様子
レディース・デー(LADIES DAY)に始まり、ダービー・デー(DERBY DAY)で終了します。
レディース・デーではコロネーションカップおよびオークス、ダービー・デーではダービーのレースが行われます。競馬場内にはクイーンズ・スタンドとダッチェス・スタンドがあり、期間中は全席が予約制です。より近くで観戦したい方は、スタンド以外の内馬場や馬場沿いの席がおすすめです。
厳格でないまでもドレスコードがあり、男性はスーツもしくはジャケットの着用、女性はドレスの着用、子どもは清楚な服装が望ましいです。スポーツウェア・ノースリーブ・ダメージジーンズの着用は不可、運動靴は不可であるため、服装には注意してください。
競馬場内にはバーやレストランがいくつもあり、ビール、ワインなどのアルコールからファーストフード、コース料理まで様々なバーやレストランが立ち並びます。もちろん馬券も場内の至る所で販売しています。
最も盛り上がるダービーフェスティバルでは、子どもも大人も競馬だけではなく雰囲気も楽しむ、賑やかな様子を見ることができます。