ドバイワールドカップ 概要
ドバイワールドカップ
ドバイワールドカップはアラブ首長国連邦のドバイ・メイダン競馬場で開催されます。コースは、ダート2000mです。
2010年から2014年まではオールウェザー2000mで開催されていましたが、維持費が高くアメリカ陣営に不評だったため、2015年にダート2000mに戻されました。
ドバイといえば、経済的に豊かで富裕層が多いイメージがありますが、これは競馬も例外ではありません。
また、ドバイワールドカップが開催される日は、メインレースとなるワールドカップの他にも、GⅠ、GⅡレースが立て続けに実施されます。数々のレースが行われることから、ドバイワールドカップミーティングと総称されています。
ドバイワールドカップにはさまざまな人気の理由があり、世界中から強豪馬が集まります。
1つ目の人気の理由が、賞金です。ドバイワールドカップの総額賞金は日本円にしてなんと約14億5千万円。競馬大国である日本でさえ、最高賞金が出るジャパンカップの総額が約7億5千万円です。この金額の約2倍の高額賞金を手に入れる可能性がある夢のあるレースなのです。
2つ目の人気の理由が、待遇です。通常海外レースの遠征には馬の輸送費や交通費、滞在費などさまざまな費用がかかりますが、ドバイワールドカップミーティングで開催されるレースは招待レースです。招待レースとは、馬の輸送費や関係者の交通費、滞在費は全て主催が負担するという条件のものです。
この高額賞金と待遇の良さから、ドバイワールドカップには世界中から競合馬が集まるのです。
ドバイワールドカップ ドバイ競馬の歴史
ドバイに初めて競馬場が作られたのは1969年です。
始まりは、9代目ドバイ首長と10代目ドバイ首長がイギリスに留学した際のこと。当時ドバイはイギリスの保護領で、その留学の際に彼らが競馬に魅了されたことがきっかけでした。
マクトゥーム殿下(9代目ドバイ首長)とモハメド殿下(10代目現ドバイ首長)を中心とするマクトゥーム家(ドバイの首長家)の主導により、現在のドバイ国際空港の敷地となっているエリアにドバイ初の競馬場が建設されました。
ただ、この当時の競馬はあくまで非公式なもので、空港の拡張に伴って1982年に閉鎖されました。
ドバイで初めて正式に競馬が行われたのは1981年のことです。その際はラクダレースが行われていたダートコースを借用し、競走馬のレースが行われました。
この頃、ドバイ初の競馬場建設を主導したマクトゥーム家の人々は馬主として大きく活躍していました。競馬の本場であるイギリスやアイルランドで次々と勝利を挙げ、生産にも乗り出した時期でもあります。このように、ドバイの競馬はマクトゥーム家の競馬熱の高まりとともに成長したと言えるほどです。
1984年から2009年頃までは、ドバイを代表する競馬場としてナドアルシバ競馬場が使用されていました。ナドアルシバ競馬場は前述のラクダ競走用のコース近くに位置し、当初はレースではなく調教のためだけに用いられていました。
1988年には800人収容のグランドスタンドが設えられ、その後アラブ首長国連邦の競馬統括機関であるエミレーツ競馬協会が発足するなど、徐々に競馬場としての体裁が整えられながら、ついに1991年から本格的な競馬開催が始まりました。
その後、ドバイ王族であり世界でも有数のオーナーブリーダーでもあるシェイク・モハメド氏が、ドバイワールドカップを考案しました。当時、世界最高賞金レースだったアメリカのブリーダーズカップ・クラシックを超えるレースとして、1995年に記念すべき第1回ドバイワールドカップが開催されたのです。創設当時は総賞金400万ドルでしたが、レースを重ねる度に賞金額は上がっており、現在は1200万ドルまで上昇しています。
ドバイワールドカップは、第1回目が開催された1995年からサウジカップが新設された前年の2019年までは、世界最高賞金のレースとして広く認知されており、日本を含む世界各地の一流馬が出走する国際的な大レースへと成長しています。
ドバイワールドカップミーティングで開催されるレース一覧
高額賞金に高待遇なドバイワールカップミーティングでは、ドバイワールドカップ以外にもたくさんの注目レースが開催されます。
日本調教馬もさまざまなレースに出走しており、ドバイワールドカップの他、ドバイシーマクラシック、ドバイターフ、ドバイゴールデンシャヒーン、アルクォズスプリントで勝負しています。
- ドバイカハイラクラシック(GⅠ)
ダート2000mのG1レースで、日本では見ることのできないアラブ種限定のレースです。出走馬は5歳以上。総額賞金は100万ドルです。 - ゴドルフィンマイル(GⅡ)
ダート1600mのG2レースです。4歳以上の北半球産サラブレッドと、3歳以上の南半球産サラブレッドが出走します。総額賞金は100万ドルです。 - ドバイゴールドカップ(GⅡ)
芝3200mのG2レースです。4歳以上の北半球産サラブレッドと、3歳以上の南半球産サラブレッドが出走します。総額賞金は100万ドルです。 - UAEダービー(GⅡ)
ダート1900mのG2レースです。3歳の北半球産サラブレッドと、4歳の南半球産サラブレッドが出走します。総額賞金は100万ドルです。 - アルクォズスプリント(GⅠ)
芝直線1200mのG1レースです。3歳以上のサラブレッドが出走し、総額賞金は150万ドルです。 - ドバイゴールデンシャヒーン(GⅠ)
ダート1200mのG1レースです。サラブレッド3歳以上のサラブレッドが出走し、総額賞金は200万ドルです。 - ドバイターフ(GⅠ)
芝1800mのG1レースです。4歳以上のサラブレッドが出走し、総額賞金は500万ドルです。 - ドバイシーマクラシック(GⅠ)
芝2410mのG1レースです。4歳以上の北半球産サラブレッドと、3歳以上の南半球産サラブレッドが出走します。総額賞金は600万ドルです。 - ドバイワールドカップ (GⅠ)
ダート2000mのG1レースで、4歳以上の北半球産サラブレッドと、3歳以上の南半球産サラブレッドが出走します。総額賞金は1200万ドルです。
このように、ドバイワールドカップ以外のレースも、GⅠ、GⅡ共に高額の賞金が付けられています。また、ドバイワールドカップミーティングで行われる9レース中4レースが芝コースで行われることから、日本調教馬の参戦も多く、好成績を残しています。
また、ドバイワールドカップミーティングでは、日本では見ることができないアラブ種限定レースも設けられています。