メイダン競馬場の概要
ドバイワールドカップ開催の競馬場であるメイダン競馬場は、アラブ首長国連邦メイダンシティにある競馬場です。ドバイ最大のショッピングモールであるドバイモール周辺に位置しており、アクセスはタクシーや車のみとなっています。
収容人数は6万人以上、1マイルの広さを誇るグランドを持ち、競馬場の中には競馬博物館やギャラリーだけでなく、5つ星ホテル、ゴルフ場、レストランなども併設されています。
メイダン競馬場には様々なドラマがあります。2017年は世界中を驚かせるレースが繰り広げられました。米国調教馬である1番人気アロゲート(Arrogate)はスタートをうまく切ることができず、最後方からのスタートでした。しかし強烈な末脚によって追い込み、2馬身と1/4の差をつけ完勝しました。
その翌年となる2018年、そして2019年の優勝馬となったサンダースノー(Thunder Snow)は、ドバイワールドカップにおける初連覇を飾りました。
世界中の競走馬を招待し、出走登録料以外はレース主催側が負担、賞金は世界のレースでもトップクラスであるなど、オリジナリティにあふれるレースが開催されています。
主要レース( ドバイワールドカップ )と日本調教馬の出走歴
メイダン競馬場では5つのG1と3つのG2が有名で、日本調教馬も数多く出走しています。
- G2レース
- ゴドルフィンマイル(Godopphin Mile)
1600mのダートコース。2022年バスラットレオンが初勝利を上げました。 - ドバイゴールドカップ(Dubai Gold Cup)
3200mの芝コース。2012年にマカニビスティーが初参戦し、2022年にステイフーリッシュが初勝利を飾りました。 - UEAダービー(UAE Derby)
1900mのダートコース。初勝利は2016年のラニ。2022年には4頭出走し、クラウンプライドが勝利しました。
- ゴドルフィンマイル(Godopphin Mile)
- G1レース
主要なG1レースは、3月下旬のドバイワールドカップ(Dubai World Cup)にて開催されます。- ドバイワールドカップ(Dubai World Cup)
2000mのダートコース。賞金は世界最高額。2011年には1着にヴィクトワールピサ、2着にトランセンドと、日本調教馬のワンツーフィニッシュという華やかな結果でした。
- アルクオーツスプリント(Al QUoz Sprint)
1200mの芝コース。2012年のエーシンヴァーゴウの出走に始まり、2016年にベルカント、2022年にラウダシオン・エントシャイデンが参戦しています。
- ドバイゴールデンシャヒーン(Dubai Golden Shaheen)
1200mのダートコース。2002年にブロードアピールが参戦して以降多くの日本馬が出走しましたが、2022年のレッドルゼルの2着が最高順位です。 - ドバイターフ(Dubai Turf)
1800mの芝コース。2001年のイーグルカフェ以降、多くの日本調教馬が出走しています。 - ドバイシーマクラシック(Dubai Sheema Classic)
2410mの芝コース。2000年のゴーイングスズカが日本調教馬として初出走し、翌2001年にはステイゴールドが1着、2006年にはハーツクライも勝利し、2014年にはジェンティルドンナが出走、2022年にはシャフリヤールが勝利を飾りました。
- ドバイワールドカップ(Dubai World Cup)
コースの特徴
高低差がほとんどない左回りで、コースは整った楕円形をしています。外側に2400mの芝コース、内側に1750mのダートコースがあり、最後の直線は芝コースが450m、ダートコースが400mとなっています。
コーナー部分にコース外側からラチに向かってなだらかな傾斜がついており、その傾斜は芝コースで5%、ダートコースで5.5%となっています。日本におけるこの最大の傾斜は中京競馬場の3.5%となっているため、メイダン競馬場は中京競馬場に比べてコーナーにやや傾斜があると言えます。この傾斜によりコーナリングがしやすくなっています。
かなりの高低差がある海外の競馬場もある中で、メイダン競馬場は高低差がほとんどないため日本の競馬場に似ており、日本調教馬にとっては比較的なじみのあるコースだと言えます。
海外の競馬場 香港の競馬場紹介
>>シャティン競馬場
現地の様子
ドバイは夏の暑さが非常に厳しいため、メイダン競馬場でもレース開催は11月から翌年3月に限られています。競馬場にはいくつもの暑さ対策行われており、レース開催が午後に集中しているのも気候のためです。
ドバイワールドカップのドレスコードはエリアによって分かれており、パブリックエリアがカジュアルな服装で入場可能な一方、プレミアムでは丈の短いズボンやビーチサンダルの着用が禁止されています。世界中から強豪馬が集まるドバイワールドカップデーですが、実はイスラム教では賭博が禁止されています。盛大なレースが開催され、世界最高賞金が出るにも関わらず、ドバイ国内の現地では馬券の発売は一切行わないという世界の競馬を見ても特殊な運営を行っています。
また、ドバイワールドカップでは、レースだけではなくファッションショーや花火も行われ、ナイター競走ならではの雰囲気を満喫できます。