アスコット競馬場の概要
アスコット競馬場 イギリス南部・イングランドのバークシャー州アスコットにある競馬場です。
ロンドンから約40kmの場所にあり、チェスター競馬場、ニューマーケット競馬場に続いて3番目に歴史のある競馬場です。
1711年8月11日、初レースである女王陛下プレート(Her Majesty’s Plate)には、6歳以上の牝馬・セン馬が並びました。レースの斤量は12ストーン(約76.2kg)、7頭の出走馬はすべてイングリッシュ・ハンターだったため、サラブレッドとは大きく異なるレース運びだったと言われています。
アスコット競馬場 主要レース
- 6月:ロイヤルアスコット(Royal Ascot)
毎年6月に開催される英国王室主催の競馬レースで、5日間で18レースが行われます。
クイーンアンステークス(Queen Anne Stakes)、キングズスタンドステークス(King’s Stand Stakes) 、プリンスオブウェールズステークス(Prince of Wales Stakes)、ゴールドカップ(Gold Cup)、ダイアモンドジュビリーステークス(The Diamond Jubilee Stakes)があります。 - 7月:キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスステークス(King George Ⅵ & Queen Elizabeth Stakes)
ヨーロッパを代表する中長距離レースで、ヨーロッパ最高峰のレースのひとつとされているG1レースです。 - 10月:ブリティッシュチャンピオンデー(British Champions Day)
英国の平地シーズン締めくくりとなり、チャンピオンステークス(Champion Stakes)、クイーンエリザベスⅡ世ステークス(Queen Elizabeth Stakes)、ブリティッシュ チャンピオンズスプリントステークス(British Champions Sprint Stakes)、ブリティッシュ チャンピオンズフィリーズ&メアズステークス(British Champions Fllies’ & Mares’ Stakes)の4つのG1レースが有名です。
日本調教馬の出走歴
このアスコット競馬場では、過去に日本調教馬も出走しています。
ロイヤルアスコットのクイーンアンステークスには2016年エイシンエルヴィン(10着)、プリンスオブウェールズステークスには2015年スピルバーグ、2016年エイシンヒカリ、2019年ディアドラが参戦しましたが、いずれも3着と敗れました。
キングズスタンドステークスには2000年に2頭が参戦し、アグネスワールド2着・ドージマムテキ22着となりました。ゴールドカップには2004年イングランディーレが参戦しましたが、9着に終わっています。
キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスステークスでは、1969年にスピードシンボリが挑戦して以降、6頭が出走。中でも最も注目を集めたのは2006年のハーツクライ。2番人気、優勝候補として注目されましたが、結果は3着に終わりました。
チャンピオンステークスには2019年にディアドラが出走し、3着と善戦しました。
日本人騎手の活躍
毎年8月には、招待された騎手のみが参加できるレース、シャーガーカップ(The Shergar Cup)が開催されます。過去、日本人騎手は、蛯名正義騎手、横山典弘騎手、後藤浩輝騎手、武豊騎手などが招待されました。
コースの特徴
アスコット競馬場のコースは三角形の形をしており、第4コーナーが存在しないことが特徴です。右回り、芝のみのコース、1周が12ハロン(約2816m)、本馬場の内側には1965年に作られた障害コースがあります。
フランスのロンシャン競馬場やシャンティイ競馬場などのコース同様、高低差があり、さらに芝丈が長いため、馬はかなりのスタミナが求められるコースとなっています。日本の競馬場で最も体力が必要と言われる競馬場が中山競馬場だと言われますが、その中山競馬場も高低差は5.3m程。アスコット競馬場はそれを遥かに超える約22mもの高低差があります。
2014年には2億2000万ポンドかけた改修工事が行われ、直線コースの整備やグランドスタンド、パドックが新しい姿となりました。改修されたことで高低差が小さくなったとはいえ、未だに厳しいコースと言えます。
現地の様子
アスコット競馬場が最も盛り上がる時期は、6月のロイヤルアスコット(Royal Ascot Race Meeting)。
毎年6月中旬に5日間開催されます。
【ロイヤルアスコット】
初日にはクイーンアンステークス・キングズスタンドステークス、2日目にプリンスオブウェールズステークス、3日目にゴールドカップ、最終日にダイヤモンドジュビリーステークスの順に行われる予定です。
ロイヤルアスコットでは競馬開催者である王室のメンバーが参加します。レースだけではなく、彼らを見ることも楽しみのひとつです。開会式にはエリザベス女王が馬車で登場する、という伝統をはじめ、着飾った王室のメンバーが参加するため、現地では社交場のような華やかさで知られています。
ドレスコードがあり厳格な印象のあるロイヤルアスコットですが、王室もしくは招待されたゲストのエリア、”ロイヤルエンクロージャー”のみが厳格なドレスコードです。チケットにより入場可能な場所が限られており、ロイヤルエンクロージャー・ジェネラル・シルバーリングの3つに分けられています。
シルバーリングのチケットではドレスコードは求められませんが、メインスタンドは襟付きの服を着用する、というルールがあります。ロイヤルアスコットを満喫したい場合は、ジャケットもしくはスーツを着用し、ジェネラルのチケットを購入すると良いでしょう。
アスコット競馬場内はさまざまな楽しみがある場所で、バーやクラブハウスでランチをしたりパブでアルコールを飲んだり、と競馬場をさまざまな形で楽しむことができます。
【アスコット競馬場のマップ】