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凱旋門賞 日本馬も参戦!世界中でも注目される中長距離のヨーロッパチャンピオン決定戦

    凱旋門賞 概要

    凱旋門賞 (Prix de l’Arc de Triomphe)はフランス・パリロンシャン競馬場(Paris Longchamp)で開催されるレースで、ヨーロッパの競馬シーズンでも終盤となる10月の第1日曜日に毎年開催されます。

    その年のヨーロッパ各地の活躍馬が集まるため、世界中でも大変注目される中長距離のヨーロッパチャンピオン決定戦です。

    コースは芝2400m、フルゲートは20頭です。

    賞金総額は5,000,000ユーロ(約681,600,000円)、1着賞金は2,857,000ユーロ(約390,000,000円)。この賞金額は、芝コースで行われるレースでは世界最高額です。

    賞金が高額なのはもちろんですが、レースの格付けでも国際競馬統括機関連盟(IFHA)が公表する年間レースレーティングの平均値に基づく「世界のトップ100GIレース」において、何度も首位に輝き、常に最上位に評価されている世界最高峰のレースとして位置付けられています。

    凱旋門賞の歴史

    フランスでは19世紀半ば、パリ大賞と呼ばれる3歳馬のための国際的なクラシック競走が創設されました。このパリ大賞によりフランス国内だけでなく海外からも一流馬を集めることに成功していたものの、古馬のための国際的な大レースはありませんでした。

    そこで、第一次世界大戦におけるフランスの戦勝記念と、戦時下で衰退した競馬産業の再生を目的として、1920年に凱旋門賞が創設されました。

    第一回の凱旋門賞では、賞金が約17万フランでイギリスダービーやフランスダービーより高く設定されましたが、国外からの有力馬の参戦は少なく、国際競走としての目的は果たせず第一回目から30年間は低迷が続きました。

    しかし、1949年に国営の宝くじとの交渉が成功し、宝くじ馬券を利用しての賞金増額が実現しました。

    前年の1948年の賞金と比べると、1着賞金が約5倍の2500万フランとなり馬齢重量( 負担重量を馬の年齢によって定める方法)の競走としてはヨーロッパでもっとも高額賞金の競走になりました。

    賞金増額の効果はすさまじく、この1949年の凱旋門賞はフランス、イギリス、イタリア、ベルギー、アメリカ、アルゼンチン、アイルランドから合わせて120頭の出走の登録があり、最終的に28頭出走し、過去最多の出走頭数となりました。

    この年が契機となって、凱旋門賞にはヨーロッパや北米の有力馬が参戦するようになり、ヨーロッパ最高峰のレースとして地位を確立していきました。

    凱旋門賞とブックメーカー

    パリロンシャン競馬場の特徴

    凱旋門賞が行われるパリロンシャン競馬場は、以前はロンシャン競馬場という名称でした。

    しかし、2015年の凱旋門賞終了後から2017年までの大規模な改修を経て、現在はパリロンシャン競馬場と名称を改めました。

    コースは全部で5つあり、外側には右回りの芝2750m、その内側に2500m、さらにその内側に2150mのコースが備わっています。この他、直線のみの1000mや第3コーナーの引き込み線をスタート地点とする1400mコースもあります。

    大規模改修により、コースの変更もありました。通常のゴールから約450mの場所にオープンストレッチ(新型仮柵)が設置されました。このオープンストレッチは、パリロンシャン競馬場だけでなくイギリスや南アフリカの一部競馬場でも導入されています。主な役割としては、直線の入り口あたりでインコースに6m幅の走路を生み出すことで馬群を横に広げてバラけさせ、出走各馬の進路をスムーズに確保することが挙げられます。

    これにより後方待機勢の馬たちも大外に持ち出すロスが減る可能性が高まり、従来のレース展開が大きく変化し、よりフェアなレースが繰り広げられるようになりました。

    >>ロンシャン競馬場

    凱旋門賞 使用されるコース

    凱旋門賞は外側の芝2400mのコースを使用して行われ、スタート地点はスタンドから見て左奥にある風車付近に置かれたゲートです。

    スタート直後の約400mは平坦で、向正面では最大斜度2.4パーセントの上り坂が続きますが、3コーナーを過ぎた辺りで下りに転じ、1000mから1600m地点までは600m進む間に10mを下がるコース設計になっています。

    その後、パリロンシャン競馬場の名物であるフォルスストレート(偽りの直線)と呼ばれる250mの直線を走ります。最後の攻防が繰り広げられる直線は、平坦な533mです。この距離は、東京競馬場の芝コースの直線とほぼ同じ距離です。

    1000mから1600mまでの高低差は10mあります。これは、JRAでもっとも勾配のある中山競馬場の5.3mのほぼ倍となっており、日本の競馬場で走る以上にスタミナが求められるコースとなっています。

    コースの攻略について、フランス競馬の名手・オリビエ・ペリエ騎手は「スタート直後でポジション争いが激しくなるが、その後はそれぞれのポジションで落ち着き、坂の上り下りはなるべく動かずにリズム良く走ることが好走につながる。」と語っています。

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